カマキリは卵を生む昆虫で、産卵方法が一風変わっています。
卵を生む前に白い泡のようなものを出して、中に卵を生みつけるのです。
枝についた白い固まりを見たことがあるでしょうか。
今回は、この泡と産卵について調べてみました。
どこに生みつけるの?
カマキリの産卵場所は、種類によって異なります。
その中でも一番よく見られるのがオオカマキリの卵です。
ススキなどの茎に、地上から約1メートル以内の範囲で生みつけます。
ハラビロカマキリは、木の幹や少し高い枝先に産卵します。
また、チョウセンカマキリ、コカマキリは、太めの草の茎や木の幹などに生みつけます。
コカマキリの場合は人工物に生みつけることも多く、コンクリート、板壁、窓の隅っこやテレビのアンテナなど面白い場所で観察できることもあります。
どうして泡のなかに生むの?
泡は中の卵を守るためのものです。
泡の中には空気がつまっていて弾力があり、少々何かがぶつかっても中の卵が傷つくことはありません。
また、泡は冬のあいだ寒気を遮ってくれます。
防寒の役割も果たしているわけです。
どこから泡を出すの?
メスがおしりの先から出します。
ちょうどケーキの上に生クリームを塗りつけるように少しずつ出し続け、ときどきお腹を浮かせて輪をえがくような動きをします。
これは大きくふくらんだ泡を作るためと考えられています。
おしりの先でこねて泡立て、ちょうどいい泡を作ります。
これは卵嚢と呼ばれており、このなかに200個前後の卵を生みつけます。
卵嚢を持ち帰りたいときは
枝先や茎の上に生みつけられている場合は植物ごと持ち帰りましょう。
卵嚢の下10センチほどのところで茎や枝を切り取るといいでしょう。
木の幹、壁などに生みつけられているときは、卵嚢だけをはがしましょう。
そのあと接着剤で棒や板にくっつけて、容器に移します。
これは卵嚢の下に空間を作るためです。
というのも、卵から孵ったカマキリの幼虫は糸状のものからぶら下がった状態で脱皮をするからです。
ぶら下がるだけの十分な空間がなかったり、卵が地面についたりしていると、多くの幼虫が脱皮に失敗してしまいます。
脱皮に必要な空間が約10センチです。
まとめ
カマキリの卵はいろんな場所でみられます。
白くて大きな泡に包まれているので、見つけやすいですね。
春には孵化するため、卵を探すなら冬の間にしましょう。
オオカマキリがよく生みつけるススキのある場所がいちばん見つけやすいと思いますが、いろんな種類のカマキリの卵を見比べてみるのも面白いかもしれません。