カマキリの幼虫は卵から孵ります。
春先、一度に200匹近い幼虫が孵化します。
一体どのように孵化するのでしょうか。
調べてみました。
孵化の様子
カマキリの卵は、主に草の茎や木の幹に生みつけられています。
孵化は大体午前8時ごろに始まります。
卵から孵化した幼虫は薄い膜で覆われていて、手足がぴったり体に密着しているため、一見メダカのような姿をしています。
この段階の幼虫を前幼虫といいます。
おしりから出した糸状のものでぶらさがり、最初の脱皮を始めます。
体を一所懸命よじって皮から抜け出すのに大体40秒かかります。
完全に抜け出すと、足が乾いてしっかりするまでしばらく休みます。
それから糸や枝を伝って歩き、安全な場所に身を落ちつけ、柔らかな体が丈夫になるまでじっとしています。
生まれたばかりの幼虫はわずか10mmほどしかありません。
生まれた瞬間から危険がいっぱい
カマキリの赤ちゃんはまだ足元がふらついており、上手に歩けません。
風が吹けば簡単に地面に落下します。
そうすると、まだ濡れている幼虫の匂いをかぎとったアリやクモなどが早速捕食します。
また、赤ちゃん同士で共食いをすることもあります。
そのため、体が乾いて固くなったら、すぐに四方八方に散っていきます。
こんな風にあちこちに危険が潜んでいるため、200匹近くの幼虫はあっという間に半数に減ります。
その後の脱皮
生き残った幼虫は何度も脱皮を繰り返し、徐々に成虫へと変化していきます。
脱皮回数は種や餌の状況によって変わってきますが、大体5~10回で体が完成するようです。
最初はみんな薄い褐色だった体が、脱皮を繰り返すうちに濃い緑色または茶色に変化していきます。
成虫になる最後の脱皮を羽化といい、薄くきれいな羽を広げます。
羽化は大体深夜に始まります。
まとめ
孵化および脱皮が始まるきっかけは明らかにされていませんが、雨が降った後の晴天の朝によく観察されることから、天候と関係がある可能性があるようです。
カマキリの幼虫は生まれたときから大忙しで気の休まる時がありませんが、飼育している場合は天敵が存在しないので、自然多くの幼虫が生き残ります。
飼育したい数だけを残して、ほかの幼虫は自然に帰してあげましょう。