カマキリは卵から生まれます。
5月ごろ孵化した幼虫がほかの虫を食べて大きくなり、よく知られている大きな目とカマを持った成虫になるまでには約3ヵ月かかります。
では、カマキリはどのように産卵し、何匹の赤ちゃんが生まれるのでしょうか?
調べてみました。
メスの産卵
カマキリは大体8月末に共寝をし、10月初旬に産卵します。
木の枝に頭を下に向けてとまり、まず卵嚢とよばれる白いクリームのような泡を出すと、そのなかに200個近い卵を生み落とすのです。
産卵にかかる時間は約3時間です。
産卵を終えるとメスカマキリは力を使い果たしてしまったかのようにほとんど動くことがなくなり、1週間ほどで亡くなります。
幼虫の孵化
春がくると、いよいよ孵化が始まります。
まずは前幼虫と呼ばれるつるっと細長い幼虫が卵嚢から出てきます。
黒い目が特徴的で、体全体が薄い膜で包まれているため、手も足もぴったりくっついており、ミイラ状になっています。
地面に落っこちないように、おしりから出した細い糸で卵嚢にぶらさがりながら、約40秒かけて膜から脱出します。
これは脱皮と呼ばれる行為です。
ここでようやく自由になった手足を使い、糸やほかの仲間の体を伝って枝に移ります。
生き残る幼虫
やっと孵化した幼虫ですが、まだまだ手足の力が弱いため、上手く歩くことができません。
強風が吹くとこらえきれず、地面に落下してしまいます。
そうすると、待ち構えていたカナヘビ、アリやクモの餌食になるのです。
アリはカマキリの幼虫よりも小さい場合もありますが、それでも簡単に引きずっていけるほど幼虫は脆弱なのです。
そんなわけですから、200匹前後孵化した幼虫も、半数は瞬く間に亡くなってしまいます。
生き残った半数は、体がじゅうぶん強くなるまでは遠くにいかず、産卵場所付近でじっとしています。
幼虫のその後
カマキリはアブラムシをはじめとし、ほかの虫を捕食して成長します。
成長とともに脱皮を繰り返し、約6~7回の脱皮をして成虫への道を辿ります。
脱皮をするごとに体は大きくなり、茶色から緑色へと変わっていきます。
8月には最後の脱皮、羽化を終え、羽を伸ばした一人前の成虫になります。
やがて成虫同士で共寝をするとオスは間もなく亡くなり、メスも産卵を終えると亡くなってしまいます。
まとめ
3時間かけて産卵され、200匹近く生まれるカマキリの幼虫は、生まれて間もなく半数が亡くなってしまうことがわかりました。
生き残ったカマキリは少しずつ脱皮を繰り返して立派な成虫になります。
強くて格好いい姿をしたカマキリも、ずいぶん苦労して一人前になるのだと思うと、感慨深いものがありますね。