カマキリの成虫には少なからず天敵が存在し、ハリガネムシもそのなかの一種です。
ハリガネムシはカマキリなどの昆虫に寄生して成長します。
でも、ずっと体内に棲み続けるわけではありません。
今回はハリガネムシが昆虫の体外に出た後と、故意にハリガネムシを出す方法を調べてみました。
ハリガネムシは寄生後どうするの?
ハリガネムシは幼児期に昆虫の体に寄生し、昆虫の養分を吸って成長します。
ひとつの昆虫にずっと寄生するわけではありません。
ハリガネムシは水中で生まれますから、最初は小さな水棲生物(カゲロウなど)に捕食されます。
この最初の宿主が別の昆虫に捕食されると、自然とハリガネムシもその捕食者の体内に移動します。
これを繰り返し、最終的にカマキリなどの陸上に棲む昆虫に寄生するようです。
成長したハリガネムシは、30cmほどの大きさになります。
そして、成長すると次にやらなければならないことは繁殖です。
また水中に戻る必要が生じます。
そこで、カマキリの脳にタンパク質を送りこみ、カマキリ自ら水辺へ向かうようコントロールします。
水につかると体外へ脱出し、子孫をつくります。
カマキリは気の毒なことに子孫も残せず亡くなってしまいます。
ハリガネムシの繁殖
川や海などの水中で、ハリガネムシのオスとメスが出会います。
そうすると、するするとお互いでお互いを巻きつけあいます。
やがてオスがメスの中に体液を注入し、メスが大量の卵細胞を生みます。
卵から孵ったハリガネムシの赤ちゃんは、早速昆虫に寄生します。
ハリガネムシの出し方
カマキリからハリガネムシを出してやるにはどうすればよいのでしょうか。
方法は簡単です。
器に水を入れ、カマキリのおしりを水につけてやります。
そうすると、おしりからハリガネムシがするすると出てきます。
カマキリの体長よりも長いハリガネムシがゆっくり出てくる様子は、なんとも印象的なものです。
どのカマキリにもハリガネムシが入っているわけではありませんので、ご注意ください。
ハラビロカマキリという種が、最も寄生されやすいようです。
まとめ
驚くほど長いハリガネムシが弱ったカマキリの体内から出て行く様子をみると、カマキリへの哀れみがわいてきます。
ハリガネムシは名前の通り針金のような姿をしており、無機質な印象です。
現時点では、ハリガネムシには謎が多く、全貌が明らかにされていません。
少し前に話題になった『寄生獣』に似た不気味さが、魅力の一つであるといえるかもしれませんね。