ハリガネムシは昆虫に寄生する線形動物です。

寄生する昆虫の代表となるのがカマキリです。

では、どの程度の寄生率があり、寄生した後はどのような生活をするのでしょうか。

調べてみました。

カマキリ ハリガネムシ 寄生率 その後

どのカマキリにもハリガネムシはいるの?

カマキリには必ずハリガネムシが寄生しているわけではありません。

なにしろハリガネムシに寄生されると、繁殖できなくなってしまいます。

ただ、寄生されやすい種類のカマキリがいます。

それがハラビロカマキリです。

体長50~70ミリの中型のカマキリです(ちなみに、日本最大のカマキリはオオカマキリで、70~95ミリの大きさがあります)。

ハラビロカマキリは幅が広い体型をしていて、主に木の上で生活しています。

日本の生息地は本州、四国、九州、南西諸島です。

体色は緑色と褐色の2種類がみられ、翅には白っぽい斑点が観察されています。

このカマキリにはハリガネムシが寄生している確率が高く、9割ともいわれています。

理由は、ハリガネムシが寄生していることの多いカゲロウを主な餌にしているためです。

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寄生後のハリガネムシ

宿主の体内に入った幼児期のハリガネムシは、腸管の中を進んで腹のなかで「シスト」とよばれる状態になります。

これは自分で殻を作って休眠している状態のことです。

このまま、宿主(最初期はカゲロウなど)が成虫になるのを待ちます。

ハリガネムシを体内に取り込んだ宿主は動きが鈍くなり、捕食されやすい状態になっていますので、カマキリにとってはおあつらえむきの餌にみえます。

そして今度はカマキリがハリガネムシを体内に寄生させることになります。

シストを破り、2,3ヵ月かけて成長したハリガネムシは、水中に戻るためにカマキリを操作します。

現時点では明らかになっていませんが、ある種のタンパク質をカマキリの脳内に注入することによって、カマキリの行動を操っているようです。

カマキリは自ら水辺へと移動します。

そうするとハリガネムシは、カマキリの肛門近くの体節の間に孔を開けて脱出します。

まとめ

カマキリが鳥などのほかの捕食者に食べられてしまった場合、ハリガネムシは寄生できずに亡くなってしまうこともあります。

何にでも寄生できるわけではないのですね。

人間にも寄生はしませんが、偶発的に体内に取り入れてしまい、吐き出したケースが過去に存在するようです。

川や池に行ったときは、不用意に水を飲みこまないように気をつけましょう。

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