暖かくなると道路にも堂々と居座っているような大きなカマキリを見かけることがありますが、よく見るとカマキリのお尻から何やら細いものが出て来たり、カマキリの近くに針金のような虫を見つけたりしたことはないでしょうか。
細長くうねうねした動きでカマキリのお尻から出てきたら、思わず手にしたカマキリを放り投げてしまいますよね。
その正体はハリガネムシと呼ばれる寄生虫です。
カマキリ好きな人も直視したくないと言われる気持ちの悪いハリガネムシ。
そこで、カマキリの体に寄生するハリガネムシを中心に調べました。
ハリガネムシってどんな虫?
ハリガネムシ(針金虫)は脊髄のない虫で、類線形動物門のハリガネ虫類に属している生物をまとめて呼ぶ総称です。
普通のハリガネムシの長さは10cmから40cm、直径は1mmから3mmと細長く色が黒い褐色です。
大きいものだと長さが1mになるものもいます。
乾燥することで「針金」のような堅さになることからこの名前がついていると言われます。
また、その細長い体つきが針金に似ているからついた名前という説もあります。
本来ハリガネムシは湿地帯や川などの水中で羽化して幼虫になります。
その幼虫を食べた昆虫に寄生する虫なんですね。
カマキリのエサになる虫に寄生
実はカマキリがハリガネムシの幼虫を直接口にして寄生するわけじゃないんです。
カマキリが好んで捕食した虫が、もともとハリガネムシに寄生されていて、それを食したカマキリが寄生主になってしまうという流れです。
たとえば、カゲロウやトンボの幼虫などはカマキリの好物の獲物です。
カゲロウやトンボに寄生していたハリガネムシが、今度はカマキリの体の中に移動していき寄生します。
カマキリが寄生される確率
カマキリが寄生される確率はカマキリの種類によって違います。
とくに寄生されることが多いのがハラビロカマキリ。
林や森の木などにいるハラビロカマキリは、カゲロウやトンボなどをよく捕まえて食べていることから、寄生されている可能性は高いようです。
地上を生活圏にしているコマキリなどは、カゲロウやトンボを捕まえて食べる機会自体が少ないんです。
まとめ
ハリガネムシに寄生されたカゲロウやトンボを捕食している昆虫は他にもいますが、ちょっと心配なのが、その昆虫を犬が食べたりすることですよね。
犬は川で水を飲んだりもします。
その辺を調べると犬にはハリガネムシが必要とするような栄養素は持っていないようなので害はないようです。
ただ、大丈夫とはいってもペットには捕まえてほしくないですよね。