農業では害虫を駆除するのに、農薬を使わずその害虫の天敵を利用することがあります。

天敵をわざと放して、害虫を食べてもらおうという作戦です。

これに高い効果をあげているのがカマキリで、カマキリ農法とよばれます。

そんなふうに、カマキリは私たちの暮らしを楽にしてくれる昆虫という一面をもっています。

今回はこのカマキリと害虫駆除について調べてみました。

カマキリ 孵化 幼虫 駆除

カマキリのえさ

カマキリは生まれながらの肉食です。

赤ちゃんのときから生きている虫を食べるのです。

孵化した幼虫は、主にアブラムシやハエを食べます。

アブラムシは植物の汁を吸って成長するため、農作物が弱ってしまいます。

さらにウイルス病を媒介することもあり、厄介な害虫のひとつに挙げられています。

カマキリの幼虫はこのアブラムシを大量に食べてくれるため、農業をするうえで非常に有益な昆虫なのです。

さらに成長すると、カメムシ、バッタ、ガやチョウなども食べるようになります。

カマキリの捕食方法

カマキリには羽がありますが、それほど速くはとべません。

だから、えさの捕獲方法は待ち伏せ型です。

幼虫のうちは花弁に似ているため、花弁のふりをして獲物を待ち受けることもあります。

この待ち伏せ型というのも、害虫駆除にはおあつらえ向きの性質なのです。

というのも、移動が少ないため、散布した場所に定着してくれる確率が高いからです。

根気強く獲物が近づいてくるのを待ち受け、ゆっくり忍び寄り、いざ捕まえるときは目にも止まらぬ早業でカマを繰り出し、がっちりと抱えこみます。

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カマキリの身体構造

カマキリは関節がやわらかく、自由自在に各パーツを動かすことができます。

まず頭と胸が細い首でつながっており、首の下側が人間の喉のように柔らかくできているため、上下左右に頭を動かすことができます。

また、上体をねじって横を向いたり、腰をひねったりすることもできます。

さらに腕とカマの間に小さな節があり、カマをあらゆる方向に向けたり回転させたりできます。

こんな風に細かく体を動かせることにより、極力移動せずに獲物をとらえることができるわけです。

また、複眼と単眼という2種類の目があり、昼夜問わず捕食活動をすることができます。

さらに消化力が優れており、大量に食べることができるというのも、害虫駆除には有効な点です。

まとめ

カマキリは優れた肉食のハンターであり、うまく利用すれば非常に有益な効果をもたらしてくれます。

農薬がわりに使えば、自然に仕上がったおいしくて安全な作物を育てることもできます。

また、カマキリとひと口にいってもさまざまな種類がいるので、その土地や環境にいちばんふさわしい種類のカマキリを選ぶと、一層高い効果が得られるでしょう。

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